嵐電バリアフリー

車いすで嵐電を利用する

嵐電はほとんどの駅のホームが路面から1メートル弱の高さにあり、電車の床面に合わせてあります。車いすで乗車する場合には、スロープでホームまで上がり、あとは地下鉄などと同じように乗降します。このホームに上がるためのスロープが、2020年に向けて多くの駅に設置され、現在ではほとんどの駅がバリアフリー対応になりました。とくに観光客が多い嵐山、仁和寺、龍安寺についてはすべてバリアフリー対応となり、観光にはたいへん便利になりました。帷子ノ辻-嵐山間については、従来は地元住民の利用がほとんどで、有栖川、車折、鹿王院といった駅の段差が大きかったのですが、こちらの区間もバリアフリー化が完了し、コロナ明けからは観光客の利用も増えているように思います。今だに車いす未対応の駅は山ノ内と西大路三条ですが、これらの駅を観光で利用することは少ないと思います。この二駅は三条通のど真ん中に島のように存在するので、今後もスロープを設置するのは困難なように思います。2023年時点で、この二駅を除いて「嵐電はバリアフリー対応です」という一言で言ってよく、全駅のバリアフリー度合いを一覧にする意味はあまりなくなりましたが、せっかくなのでこのページは残しておきます。

嵐電のバリアフリー対応駅

上の路線図で、青はなだらかな良いスロープ、黄色は少し急なスロープ、赤はスロープがなくて階段です。したがって、青と黄色は基本的に車いすOK、赤はダメということになります。青で示した駅は、ホームの幅もしっかりあります。乗客は(終着駅を除いて)車両後部ドアから乗車し、前方ドアで支払い降車します。車いすの乗客は、運転士が下りてきてホームとの隙間に板を渡すなどの対応をとってくれます。駅員が常駐するのは四条大宮、帷子ノ辻、嵐山、北野白梅町の4駅で、それ以外は無人、またこの4駅には車いす対応のトイレがあります。

各駅バリアフリーの実際

各駅のスロープの長さや傾斜がどれくらいか、また階段しかない場合は何段かといった情報を、写真とともに一覧にしたのが下表です。分数で表したスロープの勾配が、押して上がるためにどれほど障害になるかは、他の記事(「スロープの勾配と車いす」「段差と車いす」)を参考にしてください。下表セルの背景色は上記の色と対応しています。同じ駅でも方向によってバリアフリー度が違う(特に車折神社)ことがあります。その場合は両方面可能な駅まで行って引き返すといいです。反対側のホームに行くためには、(終着駅を除き)常に線路を横切らなければなりません。わりとでこぼこが多いので、注意が必要です。

本線 四条大宮向き 嵐山向き
嵐山 嵐山駅入り口

なだらかな傾斜(1/19勾配)がわずかにあるだけで、段差はありません。最も利用しやすい駅です。写真手前の広場から、改札なしでそのまま奥へ進んだところが中央のホーム(乗車側)です。

嵐山駅出口

1番線、2番線外側が降車側。こちらもなだらかな傾斜で、段差はありません。

嵐電嵯峨 嵐電嵯峨駅大宮行スロープ

1/13勾配のスロープです。

嵐電嵯峨駅嵐山行スロープ

反対ホームよりわずかに急ですが、1/12程度の勾配のスロープです。入り口手前でアスファルトがでこぼこしていますが、それほどひどくはないし、また横幅も130cmあり、問題ありません。

鹿王院 鹿王院駅大宮行階段

1/12勾配のスロープです。

鹿王院駅嵐山行階段

1/12勾配のスロープです。

車折神社 車折神社駅大宮行スロープ

1/13勾配のスロープです。

車折神社駅嵐山行階段

1/12勾配のスロープです。ホームの東端に新設されました。

有栖川 有栖川駅大宮行スロープ

1/12勾配のスロープです。

有栖川駅嵐山行階段

1/12勾配のスロープです。

帷子ノ辻 帷子ノ辻駅大宮行スロープ

駅への入り口スロープを上って、いったん嵐山方面のホーム(写真左)に出てから、線路をまたいで向かい側の大宮方面のホームに行かなければなりません。バリアフリー勾配(1/12)です。

帷子ノ辻駅嵐山行スロープ

どの線のどの方向に行くにしても、駅へのスロープがここ(三条通側)だけなので、写真のスロープ(1/13勾配)は必ず上らなければなりません。改札すぐが、嵐山方面のホームになります。

太秦広隆寺 太秦広隆寺駅大宮行スロープ

1/12勾配のスロープです。非常に長く、途中に水平面があります。

太秦広隆寺駅嵐山行スロープ

1/8強の勾配のスロープです。長さは4.5mほどです。

蚕ノ社 蚕ノ社駅大宮行階段

一直線ではないですが1/12勾配のスロープです。放置自転車もなくなりました。

蚕ノ社駅嵐山行スロープ

1/12勾配のスロープです。

嵐電天神川 嵐電天神川駅大宮行スロープ

1/13勾配のゆるいスロープです。

嵐電天神川駅嵐山行スロープ

1/13勾配のゆるいスロープです。

山ノ内 山ノ内駅大宮行

ホームというより、幅60cm、高さ30cmほどの細長い踏み台のようなものです。電車に乗るときには、さらに同じくらいの高さをまたがなければなりません。全線で最も難しい駅です(車いすは絶対に無理)。

山ノ内駅嵐山行

東向きと同じです。

西大路三条 西大路三条駅大宮行

山ノ内より幅がありますが、やはり三条通のど真ん中に置かれた高さ35cm、幅125cmの踏み台です。上り口が切ってありますが、そこでも20cmほどの高さがあります。乗車時も大きな高低差があります。無理です。

西大路三条駅嵐山行階段

高さ25cm、奥行き52cmの階段4段です。ホーム自体は電車と同じ高さで、十分な幅もありますので、この階段さえ上がれれば車いすで利用できなくもないでしょう。

西院 西院駅大宮行スロープ

1/12勾配、3mほどのスロープが折れ曲がって2つで、目の前がホームです。スロープの隣が阪急へ続くエレベーターです。

西院駅嵐山行スロープ

スロープはなく、エレベーターでわずか1mほど上がりそのままホームにつながります。同じエレベーターで下に行くと阪急です。

四条大宮 四条大宮駅降車側スロープ

それなりの勾配はありますが、短い坂なので問題ないでしょう。終着駅で駅員が常駐し、人通りも多いです。

四条大宮駅乗車側スロープ

下車側と同じです。

北野線 北野白梅町向き 帷子ノ辻向き
撮影所前 撮影所前駅白梅町行入り口

前面道路と同じ高さにホームがあります。その道路にわずかな傾斜がありますが、蛇行で避けられます。

撮影所前駅嵐山行スロープ

1/12勾配のスロープです。

常盤 常盤駅白梅町行スロープ

1/12、約8mのスロープです。長めですが大丈夫でしょう。

常盤駅嵐山行スロープ

1/12、約7mのスロープです。

鳴滝 鳴滝駅白梅町行スロープ

1/12、約5mのスロープです

鳴滝駅嵐山行スロープ

1/13、約6mのスロープです

宇多野 宇多野駅白梅町行スロープ

スロープの入口が坂の途中にあり、むしろそこまでがしんどいかもしれません。スロープ自体は1/13、約8mで、入口からホームへ向かって下がって行きます。

宇多野駅嵐山行スロープ

10m超のスロープが水平面を挟んで2つと大変長いですが、1/13ほどのゆるやかな勾配なので大丈夫でしょう。反対側のホームとは対面せず、少し離れたところにあります。

御室仁和寺 御室仁和寺駅白梅町行スロープ

1/12より少しきつめ、約4mの短いスロープです。

御室仁和寺駅嵐山行スロープ

1/12、約6mのスロープです

妙心寺 妙心寺駅白梅町行スロープ

1/12勾配のスロープです。

妙心寺駅嵐山行スロープ

1/13勾配のスロープです。

龍安寺 龍安寺駅白梅町行スロープ

水平面を挟んで15m以上ある長いスロープですが、1/13より緩い勾配なので問題ありません。

龍安寺駅嵐山行スロープ

1/13より緩いスロープが12mほどです。

等持院 等持院駅白梅町行スロープ

1/12よりきつめで、5.5mほどのスロープです

等持院駅嵐山行スロープ

1/12、約7.5mのスロープです

北野白梅町 北野白梅町駅降車側

降車側です。スロープはそれなりの勾配ですが、常にまわりに人がいる駅ですから大丈夫でしょう。

北野白梅町駅乗車側

乗車側です。下車側とほぼです。

このページの情報は、2020年9月における私の現地調査に基づいており、嵐電の公式情報(http://randen.keifuku.co.jp/train/)と一部異なります。バリアフリーが未対応の駅についても、今後おそらく改善されるものと思います。このページの情報に誤りがあったり、駅の状況が変わっていたら、お知らせいただけるとうれしいです。